ここまでやる!?カスタムを極めると年季の入ったGL400もカフェレーサーに!
バイク好きたるや、一度は自分だけのオリジナルバイクを作りたいと思ったことはありませんか?
自分の好きなパーツを使ってオリジナルのバイクを作る…でも、バイクの分解整備する技術もないし…夢のまた夢の話だと思うかもしれません。
しかし所詮バイクは金属の塊みたいなもの。さすがにバイクを一から作るわけにはいきませんが、金属加工とカスタムの技術さえあれば、ベースのバイクを用意して自分だけのオリジナルバイクを作ることだって可能なのです。
ちょっと以下の動画をご覧ください。動画内ではホンダのGL400という40年以上昔のバイクをバラバラに分解し、なんとオリジナルの現代風カフェレーサーにしてしまっているのです。
部品を一つ一つ分解して磨き上げているところまではわかりますが、なんとフレームをブッタ斬って新しい形にしてしまっています!バイク愛というか、カスタム愛が伝わってきますね…!
筆者もレースを始めた時はバラバラになっているバイクを組み立てるところから始めましたが、さすがにここまで綺麗に作ったことはありません…!
カスタムの究極系とも言えるフル改装。今回は、そんな動画内で実際に行われている作業の解説や、ベースのバイクとなっているGL400についてご紹介していきたいと思います。
さすがにいきなり同じことはできないかもしれませんが、ぜひバイクいじりやカスタムの参考、バイクの構造の勉強にしてみてください。
目次
GL400をバチバチのスポーツタイプにカスタム!その詳細をご紹介!
実際に動画内で行われている分解整備やカスタムを解説していきます。
大胆にフレームもカットし、リア部分をすっきりとしているため、当時の車重よりも約50kgも軽量化できているのも特徴的です。
では順番にご紹介していきます!
見ての通りレストアベースのGL400はホコリを被ってシートもビリビリの状態です。エンジンはかかりますが、他の機構はオーバーホールが必要そうですね。
動画内のカスタムで用意された部品はこんなにたくさん!もちろん全部使っていきます。これだけでバイク1台作れそう…!
まずは分解清掃からスタートします。分解は付いているものを取り外すだけですので、比較的簡単な作業とも言えます。
ただし、どこにどの部品が付いていたのかは覚えておきましょうね。
エンジンも隅々まで綺麗にしていきます。古いバイクはヘッドのバルブクリアランスが狂っていることがあるため、ヘッドカバーを外してバルブクリアランスを調整していきます。
ヘッドカバーは新品に交換し、全体を黒に再塗装していきます。
今回目指すバイクはタンデムシートが必要ありませんので、フレームのシートフレームをカットします。
グラインダーを利用してマーキングした部分を丁寧にカットしていきます。バイクのフレームは基本的に鉄パイプのようなものですので、金属加工用の工具さえあれば好きな形が作れちゃいます!
カットができたら取り外したホイールやハンドルブラケットなどと一緒に塗装していきます。
特に先ほどカットした部分はそのままだと錆びやすくなっていますので、入念に塗装で仕上げていきます。
放置しているバイクはフロントフォークオイルがドロドロに乳化してしまっているため、分解して綺麗にオーバーホールしていきます。
磨きや塗装などの下準備ができたらいよいよ部品を組み立てていきます!
ブレーキホースをメッシュ仕様に変更したり、セパハン仕様にしたりと、組み立てていく途中でレーサー仕様のパーツが組み込まれていきます。
カスタム部品が着くと一気に現代風のバイクのようになりますね!
エンジンの調子を左右するキャブレターも入念に清掃していきます。細かい部品がたくさん付いているため、無くさないように注意していきましょう。
シートベースはメインフレームに穴を開けてボルトオン仕様にしていきます。
元々はツインショックのGL400ですが、今回はレーサーカスタムということで、モノショックに変更するため、スイングアームも大幅に加工していきます。
スイングアームも鉄製ですので、溶接も簡単!MIG溶接機1台あれば大抵の部品を溶接することができます。もしアルミ製だと、TIG溶接機と高度な溶接技術が必要ですので、一筋縄ではいきません。
テールライトは汎用のLEDライトを取り付けていきます。電装系の部品は取り付け時に配線を間違わないように注意しましょう。
もし間違うと、後から配線を直そうとしてもぐちゃぐちゃになってワケがわからなくなってしまいますのでかなりイライラします…!
エンジンがかかるようになったら燃調を合わせていきます。キャブ車はキャブレターのオーバーホールを実施したら燃調が崩れてしまうため、きっちりと合わせこむ必要があります。
燃調を調整するキットも市販されているため、私たちでも手に入るんですよね。
単気筒のバイクには必要ありませんが、2気筒以上のキャブ車に乗っている人は燃調の合わせこみもしてみてください!エンジンがスムーズに回るようになりますよ!
動画に登場するGL400ってどんなバイクなの?
動画に登場しているバイクはホンダのGL400と呼ばれるバイクは、一体どのようなバイクなのでしょうか?
GL400は1978年にホンダから販売されたバイクで、ミドルクラスのバイクでロングツーリングが楽しめるバイクとして販売されました。市場のターゲットは国内に留まらず、海外進出も計画されて開発されたバイクです。
長身のアメリカ人やヨーロッパ人が乗ってもゆったり運転できるライディングポジションや、広大な道をストレスなく走り抜けられるように高速安定性も重視された設計となっています。
しかもそれだけじゃありません。GL400には次のような特徴が大きなポイントなのです。
- 横に出っ張った縦置きV型2気筒エンジン
- チェーンではなくシャフトドライブを採用
詳しくご紹介しますね!
横に出っ張った「縦置きV型2気筒エンジン」
パッと見て一番に浮かぶのが横に出っ張ったV型エンジン。普通ならV型エンジンは横置きされるため、2気筒でもスリムな車体にとなるのが鉄則ですが、GL400はわざわざ縦に置いているのです。
ちょっと無理があるような配置…実はシャフトドライブを採用するためにエンジンを縦置きにしているのです。
エンジン内部のコンロッドが回転する方向に合わせてシャフトが配置されているため、エンジンの回転をダイレクトにシャフトに伝えることができるのです。
また、縦置きエンジンにするとエンジン前方のスペースに余裕が生まれるため。ラジエーターが大型化できます。
動画内にもありますが、ラジエーターには大きなファンがついていますので、かなり効率よくエンジンを冷却できるようになっています。
チェーンではなく「シャフトドライブ」を採用
GL400のリアタイヤを見てみると、チェーンが存在しないことに気付くと思います。
先ほども少しご紹介しましたが、GL400は当時のバイクとしては非常に珍しいシャフトドライブが採用されているのです。
ちなみにチェーンだと、車体は左からリアタイヤに伸びていますが、GL400のシャフトは左から伸びていますので、リアブレーキ機構も反対に取り付けられています。
こちらの動画はホンダのコレクションホールに保存されているGL400のテスト走行になります。シャフトドライブはモーターのようなサウンドが特徴的となっています。
チェーンだとジャラジャラとメカノイズが発生してしまいますが、シャフトはギア機構で直接リアタイヤを動かしているためメカノイズがほとんど発生しません。
そのため長時間運転してもストレスが溜まりにくいためロングツーリングに向いているとも言えるでしょう。
また、シャフトの機構部分はオイルを入れておくだけでチェーンのような定期的な注油は必要ありません。そのためグリスが飛散する心配も不要ですね。
唯一のデメリットは、製造コストがかかるのと、車重が重くなること。しかし販売した当時はバイクブーム真っ只中。そんなことはお構いなしで開発されたようですね!
当時のバイクは個性的なものばかりで、GL400のようなバイクでも決して珍しくなかったようです。
プラモデルを組み立てるようにカスタムできればバイクの楽しみ方は無限大!
今回ご紹介した動画は、まるでプラモデルを組み立てるかのように作られているように見えます。
しかし実際にかかった制作時間は約150時間。1日10時間作業するとしても半月ほどかかる計算ですので、決して楽とは言えません。
しかし自分が目指している形のバイクが完成した時の喜びや満足感は何ものにも代えがたい喜びがあります。
もちろん動画のようなカスタムは簡単にはできませんが、お気に入りのパーツを購入して、自分のバイクにつけてみることから始めてみてはいかがでしょうか!
自動車・バイク専門のフリーランスライター。自動車・バイク情報メディア「モリビリティ」運営。
鈴鹿サーキットを中心にロードレース活動を9年間行い、全日本選手権も2年間参戦しておりました。
全国の主要サーキットでのレース活動の経験から、ライディングはもちろん、メカニカル面でも奥深いバイクの魅力をお届けします!
2020年1月12日 12:24 PM |カテゴリー:バイク関連最新NEWS, パークDoコラム
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